知能も高いことで知られていますが、人生の一大イベント繁殖期に入るとそれが一気に加速します。
メスは繁殖期になると、ある目的のために鳴き声を使い分けているようです。
また、メスが不特定多数のオスと関係を持つのはなぜなのでしょう。
チンパンジーのメスが鳴き声で?多くのオスを誘惑するのは?
どのようにしてメスはオスに自分をアピールしているのでしょうか?
特定のオスだけではなく、多くのオスと関係をもつ理由はあるのでしょうか?
そこで今回は、これらの疑問について答えていきたいと思います。
繁殖期にメスが鳴き声を上げたり、上げなかったりするワケは?
イギリスにあるセントアンドリュース大学は、メスのチンパンジーの鳴き声について次のような研究結果を発表しました。
対象となった研究場所は、ウガンダにあるブドンゴ森林に暮らすメスのチンパンジーをおよそ1年半にわたり追いかけました。
それによると、メスはできるだけ複数のオスと関係を持つため、位の高いオスと関係をもつためある工夫を行っているそうです。
上位のオスと性的な関係を持っている間は鳴き声を出さないようにしています。
これは、オスをめぐる争いから逃れるためと考えられています。
その一方、今、関係を持っているオスよりも上位のオスが近くにいれば、鳴き声を上げることによってオスにアピールするそうです。
なぜメスは多くのオスと関係を持つの?その意味は?
それは、チンパンジーの子どもはオスによって排他的扱いを受け、亡くなってしまうこともあるからです。
この傾向は、オスだけではなく、同じ集団のメスによって行われる場合もあります。
そしてこの悲劇の対象となるのは、メスの子どもよりもオスの子どもが多いと言われています。
そのため、メスのチンパンジーは父親の存在が誰であるか悟られないようにすれば、少しでも我が子を守れる可能性が高くなります。
こうすることによって、少しでも自分の遺伝子を持つ個体を多く残せるようにとの繁殖戦略という説も考えられています。
しかしながら、この習性がチンパンジーの社会においてどんな役割を果たしているのかについては不明のままです。
まとめ
チンパンジーの生存にかける強い思いを感じました。
メスは少しでも魅力的な遺伝子を残すため、関係を持つ際に鳴き声を発したり、発しなかったりしてオスの注意を引いています。
そうまでして、次の世代を残すということがチンパンジーの社会にとってはとても重要なのでしょうね。