チンパンジーは知能が高いことで知られていますが、記憶力においてもそれが言えるのでしょうか?
いったいどんな結果になるのでしょう。
そこで今回は、チンパンジーの記憶力をヒトと比べることで紹介していきます。
記憶力に優れているのは、ヒト、それともチンパンジー?
比べるまでもなく、ヒトだと多くの人は思うと思いますが、最後まで分かりません。
チンパンジーの記憶力には、いったいどんな特徴が見られるのでしょうか?
いったいどんな記憶力に優れていると言うのでしょうか?
ヒトをも凌ぐその記憶力とは?
京都大学霊長類研究所の所長である、松沢氏はヒトとチンパンジーを対象に短期記憶の実験を行いました。
コンピュータの画面上に1桁の数字をランダムに表示させ、消えた数字が小さいものから順にタッチするというものです。
その結果、ヒトよりもチンパンジーの方が短期記憶に優れていることが確認されました。
0.65秒間だけ画面に表示させて消すテストでは、ヒトとチンパンジーに大差は見られず、正答率は80%でした。
しかし、表示が0.43秒以下になると、チンパンジーの正解率は変わらないまま、ヒトは40%に下降しました。
このチンパンジーの記憶力は、「フォトグラッフィック・メモリー(直観像記憶)」に似ているそうです。
直観像記憶は、1度見た風景などを映像として記憶し、その細部を数ヶ月後でも思いだせる能力のことです。
いったい短期記憶って何?
記憶は大きく次の3つに分けることができます。
- 「感覚記憶」
- 「短期記憶」
- 「長期記憶」
「感覚記憶」は、語呂合わせなどの特別なことをせずに、視覚や聴覚がわずかな時間記憶する情報で、継続時間は1秒以下です。
電話番号やパスワードなどを20秒ほどの記憶を持続させることができるものは、「短期記憶」と言います。
歴史上の人物の一生やスポーツのルールなど、何かについて記憶を保持できるものは「長期記憶」と呼ばれています。
チンパンジーはわずかな情報量を数十秒とどめておく、「短期記憶」の能力が発達していると言えます。
まとめ
ヒトよりもチンパンジーが勝るところがあるとは、とてもびっくりしています。
なぜ短期記憶に優れているのかは分かりませんが、もしかしたら集団生活を行う中で習得していったのかもしれませんね。
複雑な情報処理は苦手でも、単純な情報処理であればチンパンジーは得意なのでしょう。