男性も積極的に育児に参加しようという大義の下、社会基盤が少し変化し始めています。
イクメンだけではなく、イクジイという言葉まで持てはやされるようになってきました。
これは動物の世界においても当てはまるのでしょうか?
チンパンジーのオスはイクメンなの?それともフイクメン?
そこで今回は、チンパンジーの子育てにおける雌雄の役割について紹介したいと思います。
広大な縄張りの中で、夫婦そろってのんびりと育児に励む姿を想像することは、どうしても難しいのです。
では、いったいどんな子育てを行っているのか見ていきましょう。
オスは子育てにどんな関わり方をするの?
子育てそのものに直接的に関わるようなことはしませんが、グループ全体の安全確保のために力を注いでいきます。
それは、チンパンジーのオスとメスは一夫一妻制ではなく、ハーレムを作って暮らしています。
そのため、メスは不特定多数のオスと関係を持つため、オスにとってはどの子が自分の子どもか分かりません。
ですから、オスは特定のメスや子どもを守るようなこともありません。
そればかりか、メスが産んだ子どもを息が切れるまで傷つけて、食べてしまうことも珍しくありません。
なぜこのような行動をとるのか、その目的は謎のまま残されています。
メスは子育てにどんな関わり方をするの?
チンパンジーのメスは、生後14年目にして初めて出産を経験すると言われています。
オスと性的関係を持ってから、およそ240日という月日を経て、ようやく赤ん坊が生まれてきます。
生まれた時の平均体重はおよそ1800gです。
上で紹介したことだけでなく、他の要因でも子どもが亡くなってしまうことがあり、その割合は3割と高めです。
そのためメスは子どもが生まれるとほとんど密着したような状況で育児を行っていきます。
生後4年くらいまで授乳をする必要があるそうで、ほとんど母親のそばを離れることはないようです。
生まれてきてから5年で大人になりますので、ほぼ5年ごとに出産を行います。
まとめ
オスはかいがいしく子どもの世話をすることはありませんが、グループ全体の警護役を務めています。
メスは、子どもが育ち上がるまで、一生懸命に子育てに励みます。
動物によってもオスとメスの役割は1つではなく、いろんな多様性があるのだと気付かされました。