愛嬌のある顔と振る舞いで動物園でもひと際大きな存在感を放っています。
そんなチンパンジーを今回は、性別という視点によって見直してみたいと思います。
いったいどんな習性の違いが見られるのでしょうか?
性別によって違うチンパンジーの習性を調べてみよう!
私たちもアッと驚くような習性が性別によって存在していることが確認されました。
では、オスとメスの違いによって、いったいどんな特徴が見られるのでしょうか?
メスにだけ見られる習性とは?
ある研究結果によって、チンパンジーの若いメスには女性らしさを感じさせる一面があることが確認されました。
ウガンダにある、キバレ国立公園のカンヤワラに住むチンパンジーを調査の対象としました。
その結果、若いメスが木の棒を人形のように抱きかかえ、母親のように世話する行動が観察されました。
この行動は14年間にわたる調査で100回以上観察されましたが、オスにはほとんど見られなかったそうです。
ハーバード大学に在籍する、生物人類学者のリチャード・ランガム氏は、実用性のないものを数分から数時間も抱えていたと語ります。
続けて、日が落ちていないのに巣の中に籠り、お人形遊びに興じる姿も確認されているとのこと。
オスにだけ見られる習性とは?
チンパンジーは乱婚で、ランクの高いオスに性的接触の機会が多く見られますが、野生ではランクの低いオスが「かけおち」するそうです。
草陰でじっとしていた気の弱いオスの元へ、いつの間にかメスが寄り添い、離れない状況が続きます。
はじめは一日から、しだいに一週間にも及ぶようになり、グループの中心から離れて行動範囲の縁へと「かけおち」してしまうのです。
時には、オスに暴力を振るわれながらしぶしぶ「かけおち」するペアも存在します。
ニホンザルのDNA解析から、ボスよりもランクの低いオスの子孫の方が多いことが確認されています。
このことから、チンパンジーも同じようなことが予想されますが、まだ報告はされていません。
まとめ
メスもオスも思ってもみないような習性があり、とても驚きました。
メスのチンパンジーは、おそらく母親になるための準備として本能的にとっている行動なのでしょう。
ランクの低いオスにとっては、自分の子孫を残すためのうまい戦略なのかもしれませんね。