ある時期を迎えると、メスのおしりにとても異様な変化が起こります。
これは私は大人の体になりましたよと、どうやらオスにアピールしているようです。
そこで今回は、チンパンジーの「おしり」の役割について調べていきたいと思います。
発情期になるとチンパンジーの「おしり」が出てるのは?
いったい発情期を迎えたメスの体にどんな変化が現れるのでしょうか?
また、私たちは顔で個々人を区別していますが、チンパンジーの場合はどうしているのでしょう。
これから「おしり」をキーワードに、上の疑問点を踏まえて紹介していきます。
メスのおしりに現れる発情期のサインは?
発情期を迎えたメスは、おしりがカリフラワーのように膨らんで、赤い色に変化していますので、サルの仲間でも分かりやすいそうです。
通常はしぼんでいる「性皮(外部生殖器)」が、性的に成熟すると、病気かと間違うほど赤くなり、ぶくぶくと膨らんでいくのです。
私たちからすれば化膿がひどいように見えて痛々しく感じますが、オスにとっては性的な魅力をそそるのだそうです。
ちなみに、発情期を迎えるのにメスの個体は10年を超す年月を必要とします。
オスは母親のそばで暮らしますが、メスは生後数年で親元を離れて別の群れで生活をすることになります。
「おしり」で知り合いかどうかを確かめているの?
ふだん認知手段として使っているものを逆さにしてしまうと、認識することが難しくなることを、倒立効果と言います。
オランダのライデン大学の研究チームがヒトとチンパンジーに対して倒立効果の実験を行いました。
その結果、チンパンジーは顔の画像を逆さまにしても変化はありませんが、おしりの場合は認識しにくくなったようです。
ヒトの場合は、チンパンジーとは反対で顔の画像は認識力が低下しましたが、おしりの場合は変化がありませんでした。
このことから、チンパンジーは「おしり」で個体間の区別をしていることが分かりました。
まとめ
性的に成熟したメスは、驚くほどおしりが腫れあがったようになり、ザクロのような色に変わります。
これはオスを引き寄せるための性的な魅力を周囲に振りまいていると言われています。
また、チンパンジーは、おしりによって誰であるかを区別していることがある研究によって確かめられました。