「ダウン症」って聞いたことはありますか?
先天的な染色体の異常によって、日常生活を送ることがとても困難になってしまう病気です。
実は、これはヒトだけに限ったことではなく、チンパンジーにも起こり得ることがあるようです。
ダウン症のチンパンジーには、どんな症状が現れたの?
いったいどこの国でそのチンパンジーは発見されたのでしょうか?
日常生活を送る上で支障なく生活できているのでしょうか?
そこで今回は、チンパンジーのダウン症について話していきたいと思います。
世界で2例目のダウン症のチンパンジーがいるって本当?
熊本県の飼育施設で生まれたメスのチンパンジーがダウン症で、1969年にアメリカで発見された個体に次いで2例目となります。
京都大学野生動物研究センターによって、世界で2例目となる染色体異常がその個体に確認されました。
メスのチンパンジーに22番目の染色体に異常があり、それはヒトの21番染色体に該当します。
ヒトの場合は600人に1人の割合で見られ、体の成長や認知の遅れ、身体的なハンデが起こるダウン症で生まれてきます。
その個体はアフリカに住む野生の両親から正常な自然分娩で生まれてきましたが、母親の育児拒否にあって飼育員が面倒を見てきました。
どんな症状が出たの?
生まれて300日を経過した頃に、両目の瞳孔が白くなり、だんだんと視力が低下し、白内障と診断されました。
2歳時には白内障の治療を受けましたが、その後で、緑内障にかかり7歳までにまったく目が見えなくなってしまいました。
5歳の頃から、周りの健康なチンパンジーと比べると体重が増えず、ずっと小柄なままでした。
健康診断を22歳の時に受け、心臓の右心房と左心房を隔てる筋肉の存在がないことが判明し、血液検査で染色体に異常が分かりました。
他の個体と一緒に生活させず、温和な性格のメスのチンパンジーと月に1度交流させ、最期まで細やかな飼育を続けていくそうです。
まとめ
まさかチンパンジーがダウン症になるとは、思ってもみませんでした。
ヒトとチンパンジーは同じような系統に属していますから、考えてみれば不思議ではないのかもしれません。
せっかくこの世に生まれてきたのだから、少しでも長く楽しい日々を送っていけるといいですね。