お茶の間の人気者として活躍していたチンパンジーもいるほど、チンパンジーはなじみの深い動物です。
チンパンジーは類人猿に分類され、ヒトに近い動物の1つとして知られています。
そこで今回は、「子ども」を視点においてチンパンジーについて調べていきます。
子どもの脳の比較!子どもを食べるチンパンジーがいるの?
「子ども」にまつわるテーマを、次の2つに分けて紹介していきます。
1つは、チンパンジーの子どもとヒトの子どもの成長速度についてです。
もう1つは、子どもを犠牲にしてしまうチンパンジーの習性について話していきます。
子どもの脳はどのように成長していくの?
京都大学霊長類研究所の研究を元に話していきます。
チンパンジーの場合、胎齢16週での胎児の脳の容積は約16cc、ヒト胎児は平均33.6ccです。
この時点でチンパンジー胎児の脳の容積はヒトのおよそ50%ということになります。
その後、チンパンジー胎児の脳容積は、1週間で約6ccの増大が確認されました。
胎齢20週を過ぎる頃になると、1週間で10ccを超える成長を見せるようになりました。
チンパンジーもヒトも、胎齢20週頃までは成長速度に違いはなく、胎齢20週~25週頃に、大きな違いが観察されました。
チンパンジー胎児の脳容積の成長は止まり、ヒトの場合は、妊娠後期まで成長が続いていくことが明らかになっています。
子どもを食べるオスがいるって本当なの?
繁殖期においてよく見られる傾向ですが、オスだけではなく、同じ集団内のメスによって行われることもあります。
自分の子どもではない個体を襲い、挙句の果てには食べてしまう、地獄絵図のような世界が広がっています。
そして、この悲しい対象となってしまうのは、メスの子どもよりもオスの子どもに多いそうです。
ですから、成熟したメスは不特定多数のオスと交配を繰り返す、乱婚という形式をとっているとも言われています。
他人の子どもを捕食したところで、乱婚をするメスが必ずしも自分の子どもを産んでくれるとは限りません。
子どもを手にかけるチンパンジーの習性については、その目的や意図がはっきりと解明されておらず、謎のままです。
まとめ
このように見てくると、ヒトとして生まれてきて良かったなと感じました。
チンパンジーの胎児もヒトの胎児も20週までは脳の成長に違いは見られませんが、中期になるとチンパンジーは成長が止まります。
とても残酷なようですが、なぜ子どもを捕食する習性があるのかその謎の答えが明かされる日を期待しています。