チンパンジーという呼称だけが独り歩きをしていて、どんな生き物なのか知らない人も多いでしょう。
そこで今回は、チンパンジーの身体能力をテーマに話していきたいと思います。
いったいどんな事実が隠されているのでしょうか?
運動能力の高い、チンパンジーにはどんな秘密があるの?
チンパンジーに攻撃をされてケガをした人の話を耳にすることがあります。
いったいどれくらいの握力や筋力を秘めているのでしょうか?
また、それを可能にしているのは、何か理由があるのでしょうか?
握力や筋力はどれくらいなの?
ふつうのチンパンジーでも軽く片手で、握力は300㎏くらいあると言われています。
あるメスのチンパンジーが、572㎏の力で物を引くことができたという報告があります。
引く力についてヒトは、男性で150㎏くらい、女性であれば90㎏になると言われていますから、どれだけ強いかが分かると思います。
この他、引く力については、1962年に動物園で飼育されていた個体が384㎏を引くことができたという記録が残されています。
また、2006年に行われた研究では、チンパンジーの仲間であるボノボがその道のプロよりも3分の1くらい高く跳ぶことができました。
筋力が強い3つの理由!
1つ目は、筋肉の繊維が長いことです。
チンパンジーの筋繊維はヒトに比べて長く、収縮をすると、いろんな動作においてヒトよりも2倍ほど大きな力を発揮できるそうです。
2つ目は、速筋の割合が高いことです。
速筋は、短時間で爆発的な力を発揮させるときに必要な筋肉で、ヒトよりもチンパンジーは構成比率が高いとのことです。
それは、速筋を活性化させるMYH16とACTN3という遺伝子が働いているためです。
3つ目は、筋肉の動きをうまく制御できないことです。
どんなことにおいても筋繊維を活性化させて使っていくことができますので、制限なく一度に大きな力を発揮することができます。
まとめ
チンパンジーの筋肉や握力は、ヒトに比べるとはんぱなく強い力を有しています。
それを可能にしているのが、チンパンジーは筋繊維が長く、速筋の構成比が高く、筋肉をうまく制御できないからです。
ですから、チンパンジーの一撃は破壊力が大きく、ヒトであってもケガを負ってしまいます。